SDGsは世界共通で、2030年までの達成を目指し、地球上の「誰一人置き去りにしない」ことを誓っています。SDGsの達成に向けて、私たちはどんなことができるでしょうか?
料理はメニューを考える、作る、食べる、片付けるといった、たくさんの行動が含まれていて、その一つ一つの行動にSDGを実践できる場面がたくさんあります。
SDGsには17の目標があります。17の目標はそれぞれつながっていて、目標ひとつだけを見るのではなく、全体を見ることが大切、バランスが大事です。食べ物が私たちのところに届くまでにはたくさんの人の手によって支えられています。大切なのは、関わる人の働きがいを保ちながら、環境への負荷をへらすこと。何を買うか、どう調理するか、自分にできることを考える、それがSDGsの第一歩です。
防災・災害食とSDGsは深く関わり、「SDGsクッキング」では食品ロスをなくすためのアイデア、水・ガスを無駄にしない方法、ゴミの減らし方など、災害時に必要なスキルも紹介しています。
1巻:食品ロスをなくす!使い切り&リメイクレシピ
食べ物を残さず大事に食べることもSDGsのひとつです。おいしく感謝して食べられたら、関わった人みんなが幸せな気持ちになりますね。買いすぎない、作りすぎない、大切な食べものを無駄なく食べきり、食品ロスをなくしましょう。
2巻:温室効果ガスをへらす!お米&旬食材レシピ
未来のためにSDGsはとても大切ですが、「これが一番いい方法だ」と言い切れることができない問題がたくさんあります。プラゴミ削減のためにポリ袋やラップを使わないで、繰り返し洗える素材のものを使った場合、お湯を沸かすためのエネルギーが必要になり、洗剤で水が汚染され、洗う水も大量に使うことになるかもしれません。だからといって、使い捨ての方が良いかというと、そうではありません。1つの視点からだけではなく、総合的に考えるのがSDGsにとっては大切です。
私たちの生活に不可欠な電気などのエネルギーを作るには、大量の化石燃料が使われていて、大量の二酸化炭素が排出されています。エアコンや冷蔵庫に冷媒として使われているフロンや、生ゴミや水田、牛のげっぷなどから出るメタンなども温暖化の原因となる温室効果ガスです。でも、だからといってお米を控えたり、牛肉を食べるなというのは違うと思います。お米は日本の農業をささえる大事な産業で、フードマイレージ(輸送による温室効果ガスの発生量)の点からも「米食がいい」と言われています。水田についてはメタンガスの発生をおさえる方法が研究されていて、牛についても、メタンガスをおさえる牛や、エサの研究が進んでいます。また、牛の糞尿に含まれるメタンをバイオガスに変えて、再生可能エネルギーを生産する技術も生まれています。メタンをおさえながら、それぞれの産業に関わる人たちの「働きがい」や生活の質が保たれることも大事です。
3巻:多様性を学ぼう!バリアフリーレシピ
SDGsは地球上のだれ一人おきざりにしないことを目標としています。世界にはいろいろな人がいます。文化や体質によっては食べられないものがあります。また、私たちは誰でもいつか障がいをもつ可能性があります。身近な料理を通して多様性について考えてみましょう。
世界にはいろいろな人がいます。まずお互いを知ることから理解が始まり、相手を思いやる気持ちを持つことが、だれもが暮らしやすい世界への第一歩になります。「知ること」も大事ですが、「知ってもらう」ことも大事です。「食べられないものがある」ということが分かれば工夫できますが、伝えなければ相手には分かってもらえません。
私たちは誰でもいつか障害をもつ可能性があります。片手調理の方法や「ユニバーサルデザイン調理器具」があることを知っておくと、周りで困っている人の役にも立ちますね。SDGsクッキングを楽しんで、みんなが幸せになる未来をつくりましょう。
◆「第3回私のSDGsコンテスト」大賞受賞『敏感(ビン缶)に 分別分けて リサイクル』https://www.asahi.com/ads/my-sdgs-contest/result/award03/
この度私が応募した川柳が「第3回私のSDGsコンテスト」で大賞を受賞しました。川柳を考える時、じっくり何度も17の目標について考えているうちに「SDGsのすべての目標はつながっている」とわかり、より理解が深まりました。
大賞商品に図書カードをいただいたので、自著の新刊「SDGsクッキング」3巻を購入し、特別支援学校などへ寄贈させて頂きました。和田山特別支援学校から嬉しいお便りが届きました!https://www2.hyogo-c.ed.jp/weblog2/wadayama-sn/?p=16724
今後も皆様と一緒にSDGs達成に向けた取り組みを行っていきたいと思います。